【生活文化科】生活こども専攻

〒011-0937 秋田県秋田市寺内高野10-33

TEL 018-845-4111 FAX 018-845-4222

【生活文化科】生活こども専攻

全ての子どもを大切にし、学び続ける〝しなやかな〟保育者の養成を目指します

保育者の仕事は、子どもの幸せと向き合いながら、子どもが成長していく過程に参加できる、楽しくてやりがいのあるものです。
近年、情報化やグローバル化が進み、子どもを取り巻く環境が日々変化しています。これに伴い、一人ひとりの子どもを理解し、質の高い保育を実践するために保育者に求められる力は多様化しています。
そこで本専攻では、2023年度から基本カリキュラムをベースにして、「聖霊短大だからできる」コース制の学びをスタートしました。高い保育実践力を育む「総合保育コース」、英語に親しみ子どもの多様な文化的背景を学ぶ「国際保育コース」です。
2024年度からは、多様性を認め、一人ひとりを大切にする精神を育む「インクルーシブ保育コース」、幼児期からSDGsに関する興味や関心を深めるための保育を探求する「SDGsコース」を追加し、教育内容を充実させます。
本専攻は、時代や環境の変化に対応し、質の高い保育を実践できる“しなやかな”保育者の養成を目指します。

生活こども専攻 大曽 基宣

基本カリキュラム

生活こども専攻では、一人ひとりの子どもの心と体の育ちを理解し、成長を支える保育を学ぶとともに、保育の実践に必要な音楽、造形、身体表現などを通して、豊かな感性、創造力を養います。
2023年度より、学生一人ひとりの「学ぶ意欲」や「得意分野」に合わせたコース制の学びをスタートします。入学後に個々の希望に合わせてコースを選択し、2年次より各コースに分かれます。各コースでは、これまでのカリキュラムに加え、コース独自の専門的な学びが用意されています。

主な科目の紹介

乳児保育

人間形成の基礎が培われる乳児期に、保育者として必要な知識や、実際の保育の内容や方法、計画など、乳児保育に必要な基本的なことを学びます。

子育て支援

子育ての現状や保護者の置かれている状況を十分に理解し、子育て支援の意義や具体的方法について学びます。

こどもの食と栄養

乳児の食の発達と離乳食について学び理解するとともに、幼児期における健全な心身の発育と食習慣の意義や必要性について学びます。

保育内容・表現(身体)

幼児の表現する具体的な姿から子どもの「表現したい」心が動き出す要因を多角的に見出し、十分に楽しめるような言葉かけや動機付けなどを学びます。

保育内容・表現(音楽)

劇遊びや、音楽(歌・合唱・合奏・リズム遊び)などを通して、子どもたちと一緒に表現を楽しむ力を身につけます。また、共同制作という活動によって得られる、自主性・協調性・創造性等を身につけます。

総合保育コース

幼児期に夢中になって遊び込む経験は、心身の発達の土台をつくる重要な経験です。遊び・実践分野では、遊びの環境づくりや遊びを通した総合的な指導方法について実践的に学びます。近年、日本の保育現場では、ICTの導入促進により、こどもの遊び環境の充実、保護者との情報共有、保育の改善など様々なメリットが期待されています。ICT 分野では、ICTを保育に活用する方法に加え、コミュニケーションやリーダーシップを学びます。

遊び・実践分野

資格:あそびマイスター(聖霊女子短期大学認定資格)

地域・遊び実践演習

地域・遊び実践演習では、子どもが自ら夢中になって遊び込む上で必要な援助や環境づくりについて学びます。本演習は、「理論・計画」と「実践・評価」の2部から構成され、後半の「実践・評価」では、地域の子どもと一緒に遊びに参加する機会を設けます。演習におけるPDCAのプロセスを通して、保育者が日々の保育を改善するために必要な力を育みます。

おもちゃインストラクター

おもちゃインストラクターは、遊びのプロとして子どもたちが持っている自由に遊ぶ力、遊びをつくり出す力を発揮できるようにサポートします。身近な材料を使ったおもちゃの作り方、遊び方を学び、楽しみながら、子どもが成長する力を促すセンスと技能を習得します。

ICT分野

資格:I C T保育マイスター(聖霊女子短期大学認定資格)

ICT教育演習

現在、保育現場では様々なICT 技術が活用され始めています。乳幼児の観察、保育記録、保護者との情報共有をはじめ、そのニーズは多岐にわたります。ICT教育演習では、ICT 技術の活用方法について実践的に学びます。

リーダーシップコーチング

ICT 分野では、ICT 技術の活用方法の習得に加え、保護者や子どもとのコミュニケーションやリーダーシップを学ぶことにより、保育者としての資質向上を目指します。

国際保育コース

現在、国内外でグローバル化が進んでいます。そのため、保育者には一人ひとりの子どもの言語や文化的背景に対する深い理解が求められています。国際教養分野では、多文化共生保育のために必要な国際教養を身につけ、子どもの文化的背景を学びます。英会話分野では、英会話ワンポイントレッスンなどを通して、英会話力を身につけます。本コースでの学びにより、国際的な保育現場における活躍の可能性が広がります。

国際教養分野

資格:グローバル保育サポーター(聖霊女子短期大学認定資格)

グローバル教養

近年、海外から帰国した子どもや、外国籍の子どもが増加しています。子どもの多様な文化的背景や価値観について学ぶことにより、グローバル時代に対応し、日本あるいは世界で活躍できる保育者に必要な知識を習得します。

海外保育実習

海外保育実習を通して、海外における保育の現状を学ぶとともに、実践的な英会話力を獲得します。海外保育実習への参加は任意であり、参加には費用がかかります。

英会話分野

資格:バイリンガル保育サポーター(聖霊女子短期大学認定資格)

グローバルラウンジ・英会話ワンポイントレッスン

学内にあるグローバルラウンジでは、ロボットや教員と日常的に楽しく英会話ができる環境が整っています。毎日の日常的な英会話により、英会話力の向上を支えます。

海外語学研修

海外語学研修を通して、より実践的な英会話力を獲得します。海外語学研修への参加は任意であり、参加には費用がかかります。

インクルーシブ保育コース

多様化が進む現代社会では、性別や国籍、宗教の違い、障がいの有無などに関わらず、多様性を認め、お互いを尊重するインクルーシブの考え方がより重要視されるようになってきました。インクルーシブ保育コースでは、障がいのある子どもをはじめ、これまで見過ごされがちであった、いわゆる「気になる子」の実態や支援の方法について学び、すべての子どもが大切にされる保育の在り方やそれを可能にする考え方について追求していきます。

インクルーシブ保育

資格:インクルーシブ保育サポーター(聖霊女子短期大学認定資格)

インクルーシブ保育では、人は「なぜ楽しくなるのか」、「なぜ悲しくなるのか」など感情が起こる仕組みとそこから生まれる思考について心理学をもとに学びを深めます。そして「遊び」や「活動」の中で自己理解を行いながら、一人一人を大切にするインクルーシブ精神の向上を図ります。「共有」をキーワードに「遊び」や「活動」を通して多様性を認め合える温かい環境づくりのできる保育力を育みます。

Message

野内 友規

生活こども専攻 野内 友規

愛情」「寄り添う」「やさしさ」「思いやり」・・・
インクルーシブの精神には、保育・教育で最も重要とされる人間性がすべて含まれています。
インクルーシブ保育は、「多様性を受け入れ誰も排除せず一人ひとりを大切にする」というインクルーシブの精神によって実現されます。
しかしインクルーシブの精神をもって保育・教育を実践することは簡単なことではありません。
相手の背景を理解できる知識や経験のみならず、相手の気持ちを理解することが求められるからです。
インクルーシブ保育コースでは、障がいのある子どもなど保育現場において「気になる子」に関する知識や支援方法を学ぶとともに、心理学による理論を背景に、すべての子どもの笑顔を引き出せるインクルーシブ精神を備えた保育者・教育者を目指します。

SDGsコース

今日の世界では、環境、社会、人権、教育に関わる様々な問題を抱えており、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」への理解と達成するための行動が求められています。様々な問題を行動し解決するためには、幼児期からSDGsに関する興味や関心を深めることが不可欠です。本コースでは、未来の社会を創っていく子どもたちがSDGsに関する興味や関心を深めるための保育内容や方法を学びます。

SDGs実践演習

資格:SDGs保育サポーター(聖霊女子短期大学認定資格)

「SDGs 実践演習」では、まず、そもそもSDGsはどのような経緯で登場したのか、SDGsが掲げている目標はどのような考え方に基づいているのか、といった基本を学びます。その上で、「幼稚園や保育所で、SDGsに関わる実践は、どのように行うことができるのか」をプロジェクトテーマとして、SDGsで掲げられている目標や考え方に子どもたちが興味・関心を持つための具体的な内容や方法を、学生同士と協働しながら探究します。そして、皆さんが探究した成果を、実際に幼稚園や保育所で実践します。

Message

寺谷 直輝

生活こども専攻 寺谷 直輝

私が好きな言葉の1つに、宗像誠也という教育学者による「教育とは人間の尊厳を打ち立てることである」という言葉があります。
SDGsを支えている「誰一人取り残されない」の言葉は、自分自身を含めて誰かを幸せにしたいと想う気持ちがあってこそ実現できるものだと考えています。
人間への尊厳を持ち、未来の社会を創っていくのは、今の子どもたちです。
幼児期からSDGsに興味や関心を深めることは、「誰一人取り残されない(ステキな)」未来を創造する出発点になると考えています。
全ての人々が幸せで「ステキな」社会を創るために、幼児期からSDGsに関する興味や関心を深めるための保育内容や方法について、一緒に探究してみませんか。

学びの特徴

保育の現場で役立つ実践力を養います

ピアノの授業は個人とグループレッスンがあり、弾き歌いや合唱などの音楽表現の技術や子どもの心に響く豊かな身体表現、色彩や素材を活かした造形表現、乳児保育に必要な調乳や沐浴など、保育の専門
的な知識や技能を習得します。

一人ひとりの個性を活かしサポート

演習や実習科目は、個別指導を取り入れることで、学生と教員の距離が、より近くなり、一人ひとりを十分に理解することができます。それぞれの得意分野を伸ばし、進度に合わせた指導を行うことで、専門的な実践力が身に付きます。

恵まれた教育環境

保育の実践的な学習ができる保育実習室、保育室、音楽表現を学ぶキーボード室、ピアノ個人練習室や図工室などの教育設備が充実しており、保育者としての実践力を高めることができます。また、自然を身近に感じる学習環境により、子どもの心に寄り添う保育者としての豊かな感性が育まれます。

検定資格

おもちゃインストラクター

手作り保育教材を活用しての保育実践
保育所や保育所以外の児童福祉施設での保育実習と幼稚園教育実習は、在学中の2年間で計5回あります。充実した実習に向けて、エプロンシアターや手袋シアター、パネルシアター、絵本などを手作りし、実習教材として活用します。
実習報告会
保育実習、幼稚園教育実習を終了した2年生が実習報告会を行います。実習先の概要や実習で学んだことなどを報告し合うことで、反省点や新たな課題を見つけることができ、保育者としてさらなる成長を目指します。報告会には1年生も参加し、次への実習の学びに繋がります。
オリジナル絵本作り
1年次の保育実習指導Ⅰでは、保育実習時の自己紹介で使用する「オリジナル絵本」を作成します。絵本の内容は、学生一人ひとりの生い立ちや好きな物など様々です。絵本には、飛び出す仕掛けをはじめ、子どもが喜ぶ工夫をしています。
地域の認定こども園における体験活動
2021年度は、地域の認定こども園と連携し、「子育て支援活動体験」を実施しました。この理論と実践を往還する活動は、学生の保育実践力の向上および保育者として働くための自信に繋がっています。

あそび場創造プロジェクト

親子が楽しく過ごせるあそび場を学内外の会場で年に4~6回開催しています。学生が主体となり遊びの環境を計画・作成し、地域の親子を対象に実施します。このプロジェクトは、学生の保育実践力の向上に貢献しています。

地域の子どもと関わるボランティア活動

年間を通して、秋田県児童会館、ブラウブリッツ秋田ホームゲーム、市民による子育て団体などでのボランティア活動を行っています。ボランティア活動を通して、子ども理解を深め、遊びの環境を構成する力を育みます。

卒業後の進路

2022年度卒業生の主な就職先

【県内】
秋田県立医療療育機構、翼友会、やまばと保育園、太東会、外旭川わんわんこども園、 こまどり幼稚園・保育園、ならやま認定こども園、こども園あきた風の遊育舎、若駒会、サン・パティオこども園、キッズステーションしょうぐんの、ニチイキッズ秋田ひろおもて保育園、男鹿保育会、鹿角市子ども未来事業団、はなさき仙北、八郎潟たいようこども園 など

【県外】
WITH、三幸学園、チャイルドステージ、ミアヘルサ保育園ひびき

2022年度生活こども専攻卒業生就職者職種別割合

保幼稚園教諭・保育教諭・保育士 93%
製造・サービス 7%

【進学割合】
進学 3%

1年前期時間割の例

1・2 3・4 5・6 7・8
こどもの保健 社会的養護Ⅰ こどもの音楽A
幼稚園教育実習指導 体育実技 教育心理学 情報システム論
英語A 教職概論(幼稚園・保育所) 保育原理 日本国憲法
保育実習指導Ⅰ 保育内容・表現(身体A) 女性論Ⅰ、キャリアデザインⅠ、体験学習Ⅰ
保育内容・人間関係 保育内容・表現(造形A) 乳児保育Ⅰ 保育内容・言葉A

2年前期時間割の例

1・2 3・4 5・6 7・8
保育内容・言葉B 教育課程総論 こども家庭福祉 保育指導法
こどもの食と栄養 こども家庭支援論 幼稚園教育実習指導 保育実習指導ⅡA
鍵盤楽器奏法A
キリスト教学Ⅱ 特別支援教育 女性論Ⅱ、キャリアデザインⅡ
保育内容・環境A こども家庭支援の心理 保育内容・表現(音楽B)

卒業生紹介

尾形 友美佳さん(2017年度卒業・秋田商業高等学校出身)

わかこま第一保育園

尾形 友美佳さん

保育士として働き始めて4年目となりました。現在は、5歳児の担任をしております。
日々保育をするなかで子ども達のさまざまな気持ちに共感し、特に一人ひとりの気持ちに寄り添うことを心がけています。子ども達は大人の視点では気付けない発見や発想があり、毎日驚きの連続です。子ども達の成長する姿や、何かを達成した時の笑顔を見ると、とてもやりがいを感じます。また保育士の仕事はそれぞれの家庭環境に配慮し、子どもはもちろん、保護者支援、家庭支援の役割も担っています。保護者が安心して子どもを預けられるような環境作りがとても大切です。初めは保護者の方と接する際に緊張することもありましたが、その日のエピソードを交えながら伝えることで、信頼関係を築くことができました。この仕事だからこそ感じられるやりがいや、喜びがたくさんあります。

Y.Oさん(平成29年3月卒業・聖霊女子短期大学付属高等学校出身)

牛島ルンビニ園

Y.Oさんの写真

保育士という仕事を始めて4年目になりました。幼少期からの夢だった保育士になり、子ども達と一緒に過ごすことは日々勉強と喜びでいっぱいです。
今、私が勤めている保育園では様々な季節の行事や地域の関わりを通して誰に対しても優しい気持ちで接するということを大切にしています。保育士の仕事は子どもの育ちを支えるほかに、保護者や家庭の支援もとても大切です。保護者の方が安心して大切な子どもを預けられる環境を整えるのも保育士の大事な仕事の一つです。保護者と会話するのは緊張しますし、「この応答でよかったのか」と不安になることが今でもありますが、保護者の方から「先生でよかった」「いつも先生の話をしています」などと言っていただくと安心するとともに、この仕事をしていてよかったと思います。
保育士を目指す皆さん、不安に思うこともたくさんあるかと思いますが、保育士だからこそ得られる幸せややりがいを皆さんと一緒に味わえることを期待しています。

伊藤 ひよりさん(2020年度卒業・聖霊女子短期大学付属高等学校出身)

認定こども園 山王幼稚園・保育園

伊藤 ひよりさんの写真

山王幼稚園・保育園に勤めて3年目、現在は年少の担任をしております。友達、先生、遊びが大好きな子どもたち、自分の力で取り組み、「できた!」がいっぱいの子どもたち、そんな子どもたちに育つクラスにしたいと考え、日々子どもたちに接しています。時には、子どもとの関わ
り方で悩むこともありますが、保育者間で子どもの心の動きを共有したり、保護者や関係機関と連携を図ったりしながら、子ども理解を深め、教育・保育の質を高めているところです。
「先生だいすき」「また遊ぼうね」などの子どもたちの声に元気と勇気をもらい、毎日とてもうれしい気持ちで過ごしています。また、身支度ができるようになったり、友達との関わり方が上手になったりするなど、少しずつ成長する姿を見守ることができるこの仕事にやりがいを感じています。
今後も、「子どもたちから学び、子どもたちと学ぶ」という姿勢で、私自身も子どもたちと一緒に成長していきたいと感じています。


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